Jazz (Genre) Keith Jarrett

Keith Jarrett - No End

2020-03-12

 

2013年発表作品。1986年録音。ジャズピアニストのキース・ジャレットによる、多重録音を駆使したバンド形態のインストゥルメンタル作品。全楽器をキースが演奏し、ドラム・ベース・ギター・パーカッションを中心とした非常に泥臭いサウンドが展開される。

 

1985年発表の"Spirits"と似たような制作方法だが、本作はカセットテープに録音されており、恐らく発表を前提とせずに、デモ音源もしくは個人的な鑑賞用として制作されたと考えられる。レアグルーヴ的な質感があり、80年代後半の電子ドラムやシーケンサーの流行に逆行して自身の音楽世界を突き詰めている。ピアノはほとんど登場しない。こういうインストゥルメンタルを聴きたかったと思わせてくれる作品である。

 

キース本人の解説によると、録音には2台のカセットレコーダー (Tandberg cassette recorder) が使用されたとのことで、作品の性質上ヒスノイズがひどい。

ブックレットの末尾には「本作は、特に2曲目から20曲目は大音量で聴いてください。音量が小さいと細かい部分が損なわれます。」という注意書きが記載されているのだが、音量を上げる前に工夫できることがいくつかある。

 

 

※2021年4月改訂

以下に、非公式なリマスター音源の制作方法を記載する。「注意事項」のカテゴリーの記事を必ずお読みいただき、私的使用の範囲内でお楽しみいただきたい。

CDの購入が難しい場合は、圧縮音源を購入してWAVファイルに変換することを推奨する。

今回は作業量が多いので、スクリプトを実行して効率良くマスタリングする方法を解説する。

 

・CDをWAV形式でパソコンに取り込む

・デスクトップに新規フォルダを2つ作成し、それぞれA, Bと名前を付ける

・Aフォルダに全曲のWAVファイルをコピーする

・デスクトップに新規テキストドキュメント(メモ帳)を作成し、1行目に"[Folder Open]"と入力し、Enterキーを2回押して行間を空け、3行目に"[Folder Save]"と入力する

 

・SoundEngine Freeを起動し、1曲目のファイルを画面中央にドロップする

・音質タブからノイズサプレッサー(雑音帯域低減)をクリックする

・下記の数値を半角で入力する

周波数 15000

6

・パラメータータブをクリックし、右端のコピーボタンをクリックし、右上の閉じるボタンをクリックする

 

・メモ帳の2行目に文字列を貼り付け、2行目と3行目の文字列を下記の通りに修正する

[Effector]

EffectorName=Noise Suppressor

太字の部分を削除し、Noise Suppressorに角括弧(カクカッコ)を付ける

[Noise Suppressor]

 

再度音質タブからノイズサプレッサー(雑音帯域低減)をクリックする

・下記の数値を半角で入力する

周波数 6000

5

・パラメータータブをクリックし、右端のコピーボタンをクリックし、右上の閉じるボタンをクリックする

 

・メモ帳の"[Folder Save]"の真上にある空白の行に文字列を貼り付ける

・文字列を下記の通りに修正する

[Effector]

EffectorName=Noise Suppressor

[Noise Suppressor]

 

・空間タブからサラウンド(位相・広がり調整)をクリックする

・下記の数値を半角で入力する

定位 17

高域広がり 100

音量 3

・パラメータータブをクリックし、右端のコピーボタンをクリックし、右上の閉じるボタンをクリックする

 

・メモ帳の"[Folder Save]"の真上にある空白の行に文字列を貼り付ける

・文字列を下記の通りに修正する

[Effector]

EffectorName=Surround

[Surround]

 

・音質タブから1ポイントイコライザーをクリックする

・下記の数値を半角で入力する

周波数 125

レベル 3

・パラメータータブをクリックし、右端のコピーボタンをクリックし、右上の閉じるボタンをクリックする

 

・メモ帳の"[Folder Save]"の真上にある空白の行に文字列を貼り付ける

・文字列を下記の通りに修正する

[Effector]

EffectorName=1Point EQ

[1Point EQ]

 

・音質タブからマスタリングプロセッサーをクリックする

・下記の数値を半角で入力する

空気感 14

・パラメータータブをクリックし、右端のコピーボタンをクリックし、右上の閉じるボタンをクリックする

 

・メモ帳の"[Folder Save]"の真上にある空白の行に文字列を貼り付ける

・文字列を下記の通りに修正する

[Effector]

EffectorName=Mastering Processor

[Mastering Processor]

 

・SoundEngine Freeの黄緑色のタイムカウンターの真上にあるスクリプトタブをクリックする

・メモ帳の文字列を全てコピーし、スクリプトタブの入力欄に貼り付ける

 

・入力欄の右上にある実行ボタンをクリックする

・入力フォルダをAに設定する

・出力フォルダをBに設定する

・全曲のファイルが自動的に処理され、Bフォルダにマスタリング済みのファイルが保存される

 

 

・スクリプトの見本(コピー禁止です。大文字と小文字を厳密に区別し、全て半角で入力してください。)

[Folder Open]
[Noise Suppressor]
Parameter1=15000
Parameter2=6
Parameter3=0
Parameter4=100
Parameter5=0
[Noise Suppressor]
Parameter1=6000
Parameter2=5
Parameter3=0
Parameter4=100
Parameter5=0
[Surround]
Parameter1=0
Parameter2=17
Parameter3=0
Parameter4=0
Parameter5=100
Parameter6=0
Parameter7=3
[1Point EQ]
Parameter1=125
Parameter2=0
Parameter3=3
Parameter4=0
[Mastering Processor]
Parameter1=0
Parameter2=0
Parameter3=0
Parameter4=14
Parameter5=0
Parameter6=0
Parameter7=100
Parameter8=0
[Folder Save]

 

 

波形が0dBを超えていても、聴覚上の音割れが最小限であれば問題ないものとする。

iTunesで楽曲を管理する場合は、Bフォルダから新規プレイリストにファイルをコピーし、アルバムタイトルの先頭に"[DIY Remaster]"を追加する。

 

最初にヒスノイズを軽減し、左チャンネルに偏り気味の定位を修正してバスドラムが中央に来るようにし、最後に低音を補強して完成となる。

 

 

Additional explanation:

 

・Click "Noise Suppressor" from the Quality tab

Frequency 15000 / Width 6

 

・Click "Noise Suppressor" from the Quality tab again

Frequency 6000 / Width 5

 

・Click "Surround" from the Space tab

Pan 17 /  High Expand 100 / Gain 3

 

・Click "1Point EQ" from the Quality tab

Frequency 125 / Level 3

 

・Click "Mastering Processor" from the Quality tab

Air 14

 

・Click the Script tab over the yellow green time counter, paste script and click the Run button

 

 

Keith Jarrett - Electric Guitars, Fender Bass, Drums, Tablas, Percussion, Voice, Recorder, Piano

 

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