1989年発表作品。1979年4月16~17日、東京都・中野サンプラザに於けるライブ録音とされている。アートワークには"Concert Recording, April 1979, Tokyo"とだけ記載されている。2012年発表作品の"Sleeper"が1979年4月16日の同会場でのライブ録音であり、本作と重複する部分がないため、実際には17日の録音であると考えられる。
本作の内容について触れる前に、キース・ジャレットが所属するレーベルである"ECM Records"の特徴を知る必要がある。ECMは基本的に過去作品のリマスタリングを行わない。なぜなら、作品をリリースする段階で、音質やアートワークを完璧に仕上げているという自負があり、リマスタリングを行う必要性がないと判断しているからである。例外として、"Selected Recordings"というベスト盤のような企画ではリマスタリングを行っている。
2017年に、日本のタワーレコードが世界で初めてECMの作品の一部をSACD化して再発した。SACDハイブリッド (Hybrid SACD) という、CD層とSACD層の2層構造のディスクになっており、新規リマスター音源が採用されたのはSACD層のみであった。レーベルの常軌を逸したこだわりが伝わってくる。
本作は、ECM創立20周年記念の企画として、10年間のお蔵入りを経て発売された。先述の"Sleeper"は2012年発売であり、1989年当時よりもマスタリングの技術が向上している。この2作を聴き比べると、音質面での落差が大きい。音量が小さすぎる上に、低音があまりにも貧弱である。
今回のリマスタリングでは低音を持ち上げ、音圧を確保しながらも原音の質感と乖離しない状態に仕上げる。
※2021年4月改訂
以下に、非公式なリマスター音源の制作方法を記載する。「注意事項」のカテゴリーの記事を必ずお読みいただき、私的使用の範囲内でお楽しみいただきたい。
CDの購入が難しい場合は、圧縮音源を購入してWAVファイルに変換することを推奨する。
・CDをWAV形式でパソコンに取り込む
・デスクトップに新規フォルダを2つ作成し、それぞれA, Bと名前を付ける
・Aフォルダに全曲のWAVファイルをコピーする
・SoundEngine Freeを起動し、1曲目のファイルを画面中央にドロップする
・音質タブからグラフィックイコライザーをクリックする
・下記の数値を半角で入力する
62Hz 4
125Hz 4
250Hz 5
500Hz 2
1kHz 4
2kHz -1(マイナスです)
4kHz 4
8kHz -2(マイナスです)
16kHz 16
音量 -6(マイナスです)
・OKボタンをクリックする
・別名保存ボタンをクリックし、Bフォルダにファイルを保存する
・上記の手順を全曲分繰り返す
波形が0dBを超えていても、聴覚上の音割れが最小限であれば問題ないものとする。
iTunesで楽曲を管理する場合は、Bフォルダから新規プレイリストにファイルをコピーし、アルバムタイトルの先頭に"[DIY Remaster]"を追加する。
「パーソナル・マウンテンズ」とは何を意味するのか?人それぞれが直面する登るべき山、越えるべき壁のことだと解釈している。それらに向かって前進する力を与えてくれる音楽である。
Additional explanation:
・Click "Graphic EQ" from the Quality tab
Keith Jarrett - Piano, Percussion
Jan Garbarek - Tenor and Soprano Saxophones
Palle Danielsson - Bass
Jon Christensen - Drums
※リンク先の「リマスター」という表記は誤りです。